みなさん、こんにちは!FXインストラクターの鈴木です。
昨日(8月13日)の海外市場は、まさに「教科書に載せたい」ような重要な出来事がたくさん起こりました。特に、政治的発言が為替相場に与える影響について、実際の事例で学ぶ絶好の機会です。
今日は一緒に、以下の3つの重要ポイントを学習しましょう:
✅ 要人発言がなぜ為替を動かすのか
✅ 金利差と通貨の関係
✅ 相関関係(株式と為替)の理解
準備はいいですか?それでは、実際のニュースを使って学習を始めましょう!
CAPITA投資ナビ編集部では、独自に調査したアンケート結果や調査に基づいて記事を作成しています。
単にウェブ上のコンテンツをまとめたわけではなく、上場企業だからこそできるリサーチ力や実際のユーザーへのインタビューに基づいたコンテンツを作成しています。
CAPITA投資ナビ編集部での記事制作の様子が気になる方はこちらもチェックしてください!
※こちらは海外在住の日本人向けコンテンツになります。
ニュース解説:各ニュースを教材として詳しく解説
【学習教材1】ベッセント米財務長官発言でドル円急落
🎯 学習目標: 要人発言が為替相場に与える影響メカニズムを理解しよう!
何が起こったの?
昨日、アメリカのベッセント財務長官がテレビインタビューで以下の重要発言をしました:
- 「米国の政策金利は現在より1.5~1.75%低くすべき」
- 「9月のFOMCで0.5%の利下げが望ましい」
- 「日銀は後手に回っている。利上げが必要だ」
この発言を受けて、ドル円は147円台から146円台まで約100pips急落しました。
なぜこうなったの?
【用語解説:政策金利】
中央銀行が設定する基準となる金利。この金利が高いとその通貨が買われやすく、低いと売られやすくなります。
ここからが重要なポイントです!
ステップ1:アメリカの利下げ期待が高まった
- 財務長官が「大幅利下げ」を要求
- 市場参加者が「本当に大幅利下げがありそう」と判断
- 結果:ドル売り圧力が強まった
ステップ2:日本の利上げ期待も同時に高まった
- 同じ財務長官が「日銀は利上げすべき」と発言
- 市場参加者が「日本も利上げするかも」と判断
- 結果:円買い圧力が強まった
ステップ3:金利差縮小の期待
- アメリカ↓(利下げ)+ 日本↑(利上げ)= 金利差縮小
- 金利差が縮小すると、高金利通貨(ドル)の魅力が減る
- 結果:ドル売り円買いが加速
【学習教材2】日経平均反落 vs 米株最高値更新
🎯 学習目標: 為替と株式の相関関係を実例で学ぼう!
何が起こったの?
同じ日に正反対の現象が起きました:
- 日経平均:-625円(-1.45%)の大幅下落
- 米ナスダック・S&P500:史上最高値を更新
なぜ正反対の結果になったの?
【用語解説:相関関係】
2つの市場や指標が同じ方向に動いたり(正の相関)、反対方向に動いたり(負の相関)する関係性のこと。
日本市場が下落した理由
- 円高の影響(輸出企業への打撃)
- ドル円が147円→146円に下落
- トヨタなどの輸出企業の収益予想が悪化
- 「円高 = 日本株安」の典型パターン
- 過熱感からの調整
- 6営業日で3,000円も上昇していた
- 「高すぎる」と判断した投資家が利益確定売り
米国市場が上昇した理由
- 利下げ期待の高まり
- 金利低下 → 企業の借入コスト減少
- 住宅ローン金利低下 → 住宅関連株上昇
- 「低金利 = 株高」の基本パターン
- リスクオンムードの拡大
- VIX指数(恐怖指数)が15.2まで低下
- 投資家がリスクを取りやすい心理状態
知識コーナー:関連する基礎知識や用語解説
今日の重要用語集
【FOMC】 Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略。アメリカの金融政策を決定する会議。年8回開催され、政策金利を決定します。FXトレーダーが最も注目するイベントの一つです。
【ビハインド・ザ・カーブ】 中央銀行の政策対応が「遅れている」という意味。インフレが起きているのに利上げが遅い、デフレなのに利下げが遅いなど、適切な政策タイミングを逃している状態を指します。
【VIX指数】 「恐怖指数」とも呼ばれる市場の不安度を示す指標。数値が低い(10-20)とリスクオンムード、高い(30以上)とリスクオフムードを表します。
深掘りコーナー:金利差トレードって何?
多くのFXトレーダーが活用する「金利差トレード(キャリートレード)」について説明しましょう。
基本的な仕組み
- 低金利の通貨を売る(借りる)
- 高金利の通貨を買う(貸す)
- 金利差分の利益を得る
具体例
- 日本の金利:0.5%
- アメリカの金利:4.5%
- 金利差:4.0%
この状態では「円を売ってドルを買う」ポジションを持つことで、年間約4%の金利収入を得られます。
注意点
昨日のように「金利差が縮小する」と予想されると、このトレードを手仕舞う動きが加速し、大きな為替変動を引き起こします。
今日の学習ポイント:覚えておくべき重要事項
必須暗記事項
1. 要人発言の影響力
- 財務長官、中央銀行総裁の発言は市場を大きく動かす
- 特に金融政策に関する発言は要注意
- 「サプライズ」があると変動が大きくなる
2. 金利差と為替の関係
- 金利差拡大 → 高金利通貨買い
- 金利差縮小 → 高金利通貨売り
- 金利差の「変化」に注目することが大切
3. クロス効果の理解
- 一つのニュースが複数の市場に同時に影響
- 為替 → 株式 → 債券の連鎖反応
- 国や地域によって影響の向きが異なる場合がある
理解度チェッククイズ
Q1: ベッセント財務長官が「米国は利下げすべき」と発言したとき、ドル円はどちらに動きやすいでしょうか?
Q2: 円高が進行したとき、輸出企業の株価はどうなりやすいでしょうか?
今日の宿題
- 用語の復習: 今日出てきた用語を3つ以上、自分の言葉で説明してみましょう
- ニュースチェック: 明日の朝、ドル円の値動きをチェックして、今日学んだ内容との関連を考えてみましょう
- 実践練習: デモトレードで小さなポジションを持ち、明日のPPI発表時の値動きを観察してみましょう
インストラクターからのメッセージ
今日は特に難しい内容でしたが、皆さんはいかがでしたか?
要人発言が為替を動かす仕組みは、FXトレーディングの「基本の基本」です。最初は複雑に感じるかもしれませんが、「なぜそうなるのか」の理屈を理解することで、相場の動きが予測しやすくなります。
覚えておいて欲しいのは、「ニュースの表面だけでなく、その背景にある経済の仕組みを理解する」ことの大切さです。これができるようになると、同じようなニュースが出たときに、どの通貨がどう動くかを自分で判断できるようになります。
分からないことがあれば、いつでも復習して大丈夫です。焦らず、一歩ずつ前進していきましょう!
明日も一緒に頑張りましょうね!📈
FXインストラクター 鈴木
※こちらは海外在住の日本人向けコンテンツになります。
