皆さん、おはようございます!FXインストラクターの鈴木です。
今日は2025年7月27日の市場から「貿易交渉が為替市場に与える影響」について一緒に学んでいきましょう。
昨日は米EU間の重要な貿易合意がありました。この機会に、国際的な貿易交渉がなぜFX市場に大きな影響を与えるのか、その仕組みを理解していきましょう!これからFXを始める方も、既に取引をされている方も、この知識はとても役立ちますよ。
それでは早速、昨日の重要ニュースから学びましょう!
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ニュース解説
ニュース①:米EU関税交渉合意の学習ポイント
今日の学習目標:貿易合意が通貨価値に与える影響の仕組みを理解しよう!
🔍 ニュース内容
米国のトランプ大統領とEUのフォンデアライエン委員長が27日に会談し、当初予定の30%の関税を15%に引き下げることで合意しました。自動車を含む多くの輸入品に適用されることになりました。
🤔 なぜこれが為替に影響するの?
関税は国際貿易の重要な要素です。簡単に説明すると:
- 関税が上がる → 輸入品が高くなる → 輸入が減る → 貿易収支が改善 → その国の通貨が強くなる傾向
- 関税が下がる → 輸入品が安くなる → 輸入が増える → 貿易収支が悪化する可能性 → その国の通貨が弱くなる可能性
でも、実際はもっと複雑です。今回のケースでは、関税引き下げは「貿易戦争の回避」という安心感を市場に与えました。これにより
- リスク選好ムードが高まった(安全な投資よりリスクのある投資が好まれる状態)
- ユーロが対ドルで底堅く推移した
【用語解説】関税と貿易戦争
関税(かんぜい):外国から輸入される商品に課される税金です。国内産業を保護したり、貿易赤字を減らしたりする目的で設定されることが多いです。
貿易戦争:国と国が互いに関税を引き上げ合って、相手国の輸出を不利にしようとする状況です。経済全体に悪影響を及ぼすことが多いです。
💡 学習ポイント!
ニュース②:米中関税交渉から学ぶ「期待値」の重要性
今日の学習目標
「期待値」が為替市場の動きを左右する仕組みを理解しよう!
🔍 ニュース内容
米中両国が7月28-29日にスウェーデンで閣僚級協議を行い、相互関税の一時停止措置を90日間延長する見通しです。
🤔 これは為替にどう影響する?
このニュースは「まだ決まっていない情報」です。しかし、市場は常に「将来の可能性」を織り込んで動いています。これが「期待値」です。
【用語解説】期待値と価格形成
期待値:将来起こりうることに対する市場参加者の予測です。情報が公式に発表される前でも、噂や報道に基づいて市場が反応することがあります。
織り込み(おりこみ):市場が将来の出来事を現在の価格に反映させる現象です。例えば、良いニュースが予想されればその前に価格が上昇することがあります。
具体例で理解しよう!
例えば、米ドル/人民元の動きを見てみましょう:
- 発表前:米中交渉が順調という噂が広がる → 市場は結果を「織り込み始める」 → 徐々に人民元高に
- 発表直後:予想通りの結果なら小幅の動き、予想と違えば大きく動く
- 発表後:次の材料を探し始める
💡 覚えておこう!
ニュース③:株式市場と為替の連動性
今日の学習目標
株式市場と為替市場の関連性を理解しよう!
🔍 ニュース内容
米国株式市場ではS&P500とナスダック総合指数が連日で最高値を更新しました。特にS&P500は5営業日連続上昇しました。
🤔 株価と為替はどう関係しているの?
株式市場と為替市場には密接な関係があります:
- リスク選好/回避の指標:株価が上昇すると「リスク選好」、下落すると「リスク回避」の傾向
- 資金フロー:外国人投資家が株式投資のために通貨を購入することで為替に影響
- 経済見通し:株価上昇は経済成長期待を表し、これが金利上昇→通貨高につながることも
図解:株価と通貨の関係
米国株価上昇
↓
リスク選好ムード高まる
↓
「安全通貨」(円、スイスフラン)→弱くなる傾向
「リスク通貨」(豪ドル、NZドル)→強くなる傾向
【用語解説】リスク選好と安全通貨
リスク選好(リスクせんこう):投資家がリスクを取ってでもより高いリターンを求める市場心理です。株式や新興国通貨などが買われやすくなります。
リスク回避(リスクかいひ):投資家がリスクを避けて安全な資産を求める市場心理です。金や円などの安全資産が買われやすくなります。
安全通貨:経済や政治が安定していると見なされる国の通貨で、市場が不安定になると買われる傾向があります。日本円やスイスフランが代表例です。
💡 ポイント!
深掘りコーナー:金価格と為替の不思議な関係
今日の学習目標
金(ゴールド)価格と為替の関係を理解しよう!
🔍 ニュース内容
金価格は米EU間の貿易合意観測を受けて下落したものの、依然として約3,336米ドル/オンスの高水準を維持しています。
🤔 金価格はなぜ為替トレーダーにとって重要?
金は「米ドルの価値」を測る重要な指標の一つです。また、「市場のリスク感応度」を測る指標としても活用されています。
金価格と通貨の関係:
- ドルとの逆相関:一般的に、金価格が上昇するとドル安、下落するとドル高になりやすい
- リスク指標:市場の不安が高まると金価格が上昇することが多い
- 資源国通貨:金価格の上昇は金産出国(オーストラリア、南アフリカなど)の通貨高に働く
【用語解説】逆相関と実質金利
逆相関(ぎゃくそうかん):一方が上がると他方が下がる関係のことです。金とドルは典型的な逆相関関係にあると言われています。
実質金利:名目金利からインフレ率を引いたものです。実質金利が下がると、金のような実物資産の魅力が高まります。
💡 覚えておこう!
今日の学習ポイント
- 貿易交渉と為替
- 関税引き下げは必ずしも自国通貨安にならず、「貿易戦争回避」はむしろプラスになることも
- 実際の数字だけでなく「市場の期待との差」が重要
- 期待値の重要性
- 市場は常に将来を織り込んで動いている
- 「噂で買って事実で売る」現象が起きることも
- 株式市場と為替の連動性
- 株高は一般的にリスク選好につながりやすい
- リスク選好時は円やスイスフランなどの安全通貨が売られやすい
- 金価格のシグナル
- 金価格はドルとの逆相関関係が強い
- 市場不安のバロメーターとしても機能する
理解度チェック
以下の質問に答えてみましょう:
- 関税が引き下げられると、理論的にはどのような影響が為替に出やすいですか?
- 「期待値」とは為替市場においてどのような意味がありますか?
- 株式市場が上昇するとき、どの通貨が強くなりやすい傾向がありますか?
- 金価格と米ドルの関係は一般的にどうなりますか?
解答例:
- 理論的には自国通貨安になりやすいが、貿易摩擦緩和という安心感から逆の動きになることもある
- 将来起こりうることに対する市場参加者の予測で、公式発表前に価格に反映されることがある
- リスク選好の通貨(豪ドル、NZドルなど)が強くなりやすく、安全通貨(円、スイスフラン)は弱くなりやすい
- 一般的に逆相関関係にあり、金価格上昇時はドル安、金価格下落時はドル高になることが多い
明日の学習予告
明日は「中央銀行の金融政策と為替への影響」について学びます!
しっかり準備して明日の市場に備えましょう!
質問や分からないことがあれば、いつでも聞いてくださいね。一緒に学んで、少しずつFXの理解を深めていきましょう!
FXインストラクター 鈴木
※こちらは海外在住の日本人向けコンテンツになります。
